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Linux VPSは結局どれもLinuxサーバーなんだから違いはないのでは?と思ってしまいます。
実際のところ自分でもVPSをつかっていて「これはConoHa VPSだな」とか「これはカゴヤVPSだな」なんて分かるはずがありません。ログインしてしまえば大して変わりないからです。WEBサーバーとして使ったとしても劇的に応答速度が変わることもないので、本音を言うとどのVPSを使っても大して差はないです。
ただ、VPSは一度使い始めると別のサービスに乗り換えるのが難しいことが多く、長く使えば小さな価格差でも支払総額が大きく変わります。ですから価格に見合った性能とサポートを選んだ方が良いというのが、わたしの考えです。
そこで、この記事ではVPSサービスの違いついて実際に利用したユーザー目線で解説しながら、2024年11月現在のおすすめVPSを紹介します。
Contents
Linux VPSのランキング発表
まずはランキングから発表します。このランキングはわたしの独断と偏見です。もし、これからVPSを使おうと思っている方におすすめを聞かれたらどのサービスをおすすめするか考えてランキングをつくりました。
ですからVPS初心者の方に参考になると思います。中級者以上の方でサポートは不要だという方であれば純粋に価格で選ぶのもアリだと思います。ただ、単純に安ければ良いというものではないので、一応特徴や利点・欠点などを見て頂ければと思います。
第1位:ConoHa VPS
誰にでもおすすめできる万能型VPS!
1時間から使えるので短期利用にも向いている。
ConoHa VPSの特徴
ConoHa VPSはとても人気があり、初心者の方でも安心して利用できるVPSサービスです。プランが豊富で、1時間という超短時間プランから3年という長期プランまで用意されています。
1時間単位のプランって何に使うの?と思う方がいらしゃるかも知れませんが、わたしの場合はテストサーバーとして使うときに1時間プランを選びます。だいたい1時間あたり1円~2円程度で使えるのでお得です。AWSと比較するとサクッとサーバーを作れる点でVPSの方が使い勝手が良く感じています。
アプリやゲームなどがインストール済みのイメージがテンプレートとして用意されているので、サーバーを作成した直後からインストールなしにアプリやゲームを利用できます。
ConoHa VPSの価格
ConoHa VPSの契約期間は1時間~3年まで幅広く揃っています。各プランではサーバースペックの他にSSL証明書の有無などオプションによって価格が異なります。
各プランの最低利用価格は次の表の通りです。
1時間プラン | 1.3円~ |
1カ月プラン | 459円~ |
3カ月プラン | 1,197円~ |
6カ月プラン | 1,704円~ |
1年プラン | 3,118円~ |
2年プラン | 6,097円~ |
3年プラン | 8,828円~ |
ConoHa VPSのサポート内容
ConoHa VPSはメール、チャット、電話によるサポートを受け付けています。ダッシュボードの操作方法が分からないだとか、うまくサーバーをつくれない場合に相談できるので初心者の方でも安心です。
メール | 24時間365日受付 |
チャット(オペレーター) | 10:00~18:00(平日のみ) |
電話 | 10:00~18:00(平日のみ) |
ConoHa VPSの利点
ConoHa VPSは1時間から利用できるので、わたしのようにテスト用に半日だけ使いたいという場合、お得にVPSを利用できます。
サーバー性能も高くサクサク動くので、初心者の方から上級者の方まで幅広くおすすめできるVPSサービスです。
ConoHa VPSの欠点・注意点
サポート体制が厚い分だけ価格に反映されています。長期プランは大幅な割引がありますが、最安値というわけではありません。特にサポートが不要な上級者の方であれば、価格の安い別のVPSサービスを検討したくなるかも知れません。
第2位:さくらのVPS
誰にでもおすすめできる万能型VPS!
2週間のお試し期間があるので、事前にサービスの使い心地やサーバースペックを確認できる。
さくらのVPSの特徴
さくらのVPSも人気が高く利用者数が多いVPSサービスのひとつです。さくらのVPSを運営するさくらインターネットは日本のインターネット黎明期からサービスを提供しているので、企業としての信頼性と安心感は抜群です。
2週間のお試し期間もあるので初心者の方は安心して利用を開始できるでしょう。
自動インストールスクリプトが豊富に用意されているので、アプリやゲームを自動的にインストールしてすぐに使える環境が整っています。
さくらのVPSの価格
さくらのVPSの契約期間は1カ月プランと1年プランの2種類です。各プランではサーバースペックとサーバーの設置場所(石狩、東京、大阪から選択可能)によって価格が異なります。
各プランの最低利用価格は次の表の通りです。
1カ月プラン | 643円~ |
1年プラン | 7,078円~ |
さくらのVPSのサポート内容
さくらのVPSはメール、コールバック予約によるサポートを受け付けています。チャットは「さくらのレンタルサーバ」「さくらのドメイン」「さくらのSSL」のみ対応しているので、さくらのVPSでは利用できません。
コールバック予約とはスケジュール予約画面で時間を指定してサポートスタッフから電話連絡してもらうサービスです。通常、電話サポートはつながらないことが多いのですが、コールバック予約であれば確実に電話でやり取りできます。
メール | 24時間365日受付 |
10:00~18:00(平日のみ) | |
24時間365日 | |
コールバック予約 | 24時間365日受付 コールバックは10:00~18:00(平日のみ) |
さくらのVPSの利点
さくらのVPSは2週間のお試し期間中、2台まで同時にVPSを利用できます。そのためどのプランを使えば良いのか確認したり、さくらのVPSを初めて利用される方は事前に使い心地を試したりできます。
アプリやゲームをインストールできるスクリプトが用意されていて、これを使うとサーバー起動時にアプリやゲームを自動的にインストールできます。スクリプトを使えば面倒なインストール作業から解放されるので、サーバー構築の手間を大幅に減らすことが可能です。
さくらのVPSの欠点・注意点
2週間のお試し期間中は通信速度に制限が入ります。サーバー性能自体は問題なくても通信速度が遅いせいで動作が遅く感じることがあるので、その点は注意が必要です。
また、アプリやゲームを自動インストールできるスクリプトは便利なのですが、他社のようにインストール済みのイメージが提供されるのではなくスクリプトでインストールを実行する形式です。そのため初心者の方にとって自動とはいえスクリプトによるインストール作業は難しく感じるかも知れません。
第3位:カゴヤVPS
ビジネス用途でもユーザーが多い信頼の高いVPS。
サーバースペックが高くストレージ容量が多いプランが安く使えるのでわたしも愛用中。
カゴヤVPSの特徴
カゴヤVPSはビジネス用途でも利用者の多いVPSサービスです。そのためサポート体制もしっかりしていて安心して利用できます。
契約期間として1日プランのみ提供されていて、CPUコア数やメモリーサイズ、ストレージサイズの違いがプランの違いとなります。
初心者の方でも使いやすいのですが、ConoHaやさくらのVPSのようなカジュアル感はなく、どちらかというと中級者以上の方に向いているVPSサービスです。
カゴヤVPSの価格
カゴヤVPSの契約期間は1日のみです。スタンダードプランと大容量プランに分かれていて、ストレージ容量を増やしたい場合は大容量プランを選択できます。
1日単位での契約ですが1カ月利用した際の上限価格は決まっており、上限価格を超えて利用料金を請求されることはありません。
1日スタンダードプラン | 20円~ |
1日スタンダードプラン 1カ月利用時の上限価格 | 550円~ |
1日大容量プラン | 32円~ |
1日大容量プラン 1カ月利用時の上限価格 | 880円~ |
カゴヤVPSのサポート内容
メール | 24時間365日受付 |
電話 | 10:00~17:00(平日のみ) |
カゴヤVPSの利点
カゴヤVPSは利用日数が1日単位なので、シンプルにサーバースペックでプランを選べる点が使いやすいです。また、ビジネスアプリやゲームサーバーを導入できるテンプレートも豊富に揃っているので様々な用途に利用できるVPSサービスです。
プランには「スタンダード」プランとストレージサイズを増やした「大容量」プランの2種類があり、価格とスペックのバランスが良い点がカゴヤVPSの利点です。
「大容量」プランはお得で使いやすいため、わたしもカゴヤVPSを利用しています。
カゴヤVPSの欠点・注意点
アカウント作成は人力でおこなっているので、他社と比較するとアカウント開設まで若干時間がかかります。また、申込時に入力した住所などをスタッフの方が目視チェックしており、存在しない住所などが入力されているとアカウントの発行を拒否されます(わたしは入力ミスで1度拒否されてしまいました)。ただし、これは不正利用防止のための施策なので、逆に言えば安心して利用できるサービスだと言えます。
第4位:Xserver VPS
性能の高いレンタルサーバーのハードウェアをそのままVPSで利用できる高スペックVPS。
サーバー性能を追い求めるのであればおすすめのVPS。
Xserver VPSの特徴
Xserver VPSはレンタルサーバーで有名なエックスサーバーのハードウェアを利用したVPSサービスです。そのためサーバー性能は折り紙付きと言えます。
他社と比較すると新しいサービスですが、エックスサーバーの利用者は多いのでVPSとしての利用もこれから増えていくものと思われます。
Xserver VPS価格
Xserver VPSの契約期間は1カ月から3年まで幅広く提供されています。
1カ月プラン | 666円~ |
1年プラン | 10,422円~ |
2年プラン | 20,514円~ |
3年プラン | 29,518円~ |
Xserver VPSサポート内容
Xserver VPSはメール、チャット、電話によるサポートを受け付けています。
メール | 24時間365日受付 |
チャット(オペレーター) | 10:00~18:00(平日のみ) |
電話 | 10:00~18:00(平日のみ) |
Xserver VPSの利点
Xserver VPSはそのサーバー性能をフルに生かして非常に性能の高いVPSをユーザーに提供しています。ゲームサーバーも提供をしており、ゲームではその性能を思い切り発揮できます。
アプリやゲームを簡単に導入できるテンプレートも豊富に揃っているのでビジネス用途からゲーム用途まで幅広く対応しています。
Xserver VPSの欠点・注意点
Xserver VPSはサーバー性能を売りにしているため、他社のようにCPUコア数やメモリーサイズを最小限に抑えたプランは用意していません。そのため、アクセス数の少ないWEBサーバーなどでは最低プランでもオーバースペックになってしまいます。
利用用途としては、ゲームや高性能なサーバーが必要な場合に選ぶと良いでしょう。
第5位:WebARENA Indigo
とにかく安い格安VPS。1時間から格安で使えるので利用代金を低く抑えたい場合に最適なVPS。
WebARENA Indigoの特徴
WebARENA IndigoはNTTPCが提供する低価格なVPSサービスです。とにかく安く使いたいという方におすすめのVPSサービスですが、サポートは皆無に等しいので初心者の方にはおすすめできません。
WebARENA Indigo価格
WebARENA Indigoの契約期間は1時間のみですが1カ月利用した際の上限価格は決まっており、上限価格を超えて利用料金を請求されることはありません。
1時間プラン | 0.52円~ |
1カ月利用時の上限価格 | 319円~ |
WebARENA Indigoサポート内容
WebARENA Indigoのサポートは基本的にお問い合わせフォームからの問い合わせになります。回答まで早くて1営業日、確認が必要な場合は数日後に返信があります。
基本的に自力での解決が求められます。
お問い合わせフォーム | 平日9:30~17:30 |
チャット(ボット) | 24時間365日受付 |
WebARENA Indigoの利点
WebARENA Indigoはとにかく安く使えるVPSサービスです。それ以上でもそれ以下でもありません。1時間単位で利用できるので、短期間だけVPSを利用したいという方にも向いています。
WebARENA Indigoの欠点・注意点
価格の安さはサポート体制にも表れています。サポートはお問い合わせフォームがありますが、次の内容はサポート外と公式サイトに記載されているので実質的にサポートを使うことはないでしょう。
- コントロールパネル、インスタンスの操作方法
- サービスが使えない場合の原因調査
- お客さまがご利用の通信回線、端末、ソフトウェア
- その他、技術的なお問い合わせ全般
注意点として、サーバー性能があまり高くないのか負荷が高いのか原因は不明ですがVPSの動作がモッサリとしています。WEBサーバーなど公開サーバーとして利用する場合は事前に動作に問題ないか確認してから公開してください。
VPSを選ぶときのポイント
VPSを選ぶときは次の点を明確にしておく必要があります。
- 利用目的
- 利用期間
まずVPSを何に使うのか?週末だけゲームをしたいのか、長期的に利用するWEBサーバーにしたいのか、数時間だけ必要なテスト用に使うのか?それによって選ぶべきプランが変わってきます。
ゲームの場合はスペックと価格に注意
ゲーム用途であればプレイする人数によって必要なサーバー性能が異なります。また、ゲームによってはサーバー性能が低いとプレイできないものがあるので注意しなくてはいけません。
またゲームサーバーの場合はインストールが難しいので、基本的にゲーム専用のVPSを選ぶことをおすすめします。ただしゲーム用のサーバーは価格が高くなりがちなので、週末や連休などゲームをプレイするときだけVPSを契約する方法がおすすめです。
WEBサーバーの場合は最低でも1GB程度のメモリーサイズを選ぶ
WEBサーバーの場合、アクセス数がそれほど多くなければサーバースペックは決して高いものは必要ないです。ただしWordPressを使う場合は2GB程度メモリーサイズを搭載している方が快適です。
VPSはプラン変更でサーバー性能を上げることができるので、最初はメモリーサイズ1G程度のものから始めて徐々に性能をアップさせていくという方法でも問題ありません。
テスト目的であれば短期プランがおすすめ
一時的にインターネットにサーバーを構築したいのであれば短期プランがおすすめです。わたしも通信テストだとか一時的にサービスを公開する際は短期プランのVPSを利用しています。
数時間しか使わないのであればConoHa VPSやWebARENA Indigoの1時間プランがおすすめですし、半日~1日使うのであればカゴヤVPSもおすすめです。
VPSを選ぶかレンタルサーバーを選ぶかAWSを選ぶか
VPSとレンタルサーバーは、そもそも利用目的が異なります。VPSのメリットは管理者権限が使える仮想サーバーを比較的安価に利用できる点です。
自由度を求めるならばVPS、運用の手軽さを求めるならばレンタルサーバー
VPSはアプリを自由にインストールしたりサーバーの設定を自由に変更できます。そのため自分で開発したアプリを動かしたりゲームサーバーとして利用するのであればVPSが適しています。
レンタルサーバーはサーバーの設定を自由に変更できないので自由度という面では劣りますが、サーバー管理をすべてレンタルサーバー会社に任せることができるので、ユーザーの負担が減ります。WordPressのような有名なCMSであれば簡単にインストールできる環境も整っているため、手軽にブログを始めたいという場合はレンタルサーバーがおすすめです。
VPSとAWSは似て非なるもの
VPSはAWSと比較されがちですが、VPSが仮想サーバーをユーザーに貸し出すことをサービスとしているのに対してAWSはプラットフォームを貸し出しています。
AWSはVPCという仮想ネットワークの上にEC2のような仮想サーバーを構築したりLambdaをはじめとする無数のサービスと組み合わせたりしてネットワークやWEBサービスを構築していきます。つまり、そもそもの目的が異なるわけです。
もしも単純にサーバーを使いたいということであればVPSが適しています。しかしAWSのサービスを組み合わせてWEBサービスをつくる必要があるならばAWSが適しています。
なおAWSのメリットを「価格が安い」と誤解している方が多いのですが、AWSのメリットは安さではなくサービス利用開始までのリードタイムの短さです。従来から利用されているオンプレミス環境ではサーバー機器やネットワーク機器を購入してデータセンターにラッキングしたり設定したりする必要があり、これには数ヶ月かかる場合があります。しかしAWSを使えばWEBブラウザ上でネットワークやサーバーをクリックひとつで構築できるため、従来のオンプレミス環境では考えられなかったスピード感でサービスを開始できます。
AWSを実運用環境で使うとVPSよりも利用金額が高くなるケースが多いでしょう。また、VPSは固定料金ですがAWSは従量課金制のため思いがけず高額請求される場合がるので注意が必要です。
弊社が主に利用しているVPSサービス
弊社では主にConoHa VPSとカゴヤVPSを利用しています。
通信テストなどで一時的にインターネット上にサーバーをつくりたいときはConoHa VPSの1時間プランを利用しています。1時間あたり1.9円支払えば良いので、ほぼ無料で使っている感覚です。サーバー作成ボタンをクリックしてからすぐにサーバーが起動してログイン可能になるのでテスト時は本当に重宝しています。
WEBサービスのデプロイ先として使っているのはカゴヤVPSです。カゴヤVPSの大容量プランに「2コアCPU・2GBメモリー・200GBストレージ」というスペックのVPSを1カ月880円で利用できるプランがあり、これが絶妙なスペックと価格で個人的に最高にコストパフォーマンスが高いと思っているので使い続けています。
ちなみに、以下のサービスをカゴヤVPSで運用しています。
まとめ
わたしの個人的な意見を反映したVPSのおすすめを紹介しました。
冒頭でも書いたとおり、本音を言うとVPS自体の使い心地はどれも変わりません。価格が高ければその分だけ快適に使えるかというと、体感的には変わらないのが実情です。ただ、WebARENA Indigoだけは体感レベルでモッサリ感がありました。
重要なのはCPUコア数・メモリーサイズ・ストレージサイズ・サポート、そして価格が自分の求めているものと一致しているか、という点です。